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2012. 9. 8 (SAT) @BULLET’S Nishiazabu

#2

#2では「表現媒体の多様性」をテーマに、多彩な表現技法を持ったアーティストが出演しました。

1組目はjohn smith。

1組目はjohn smith。多摩美術大学在学中の彼は、身体の動きによって光や音を操るパフォーマンスを発表。何十個ものマイクスタンドにくくつけられた電球や、手元に置いたシェードランプを、ジェスチャーによって電圧を調整することで、光の強弱が生まれ、ノイズ音が発生します。パフォーマンスの彼の姿は、まるで指揮者のような様相でした。

2組目はVJ YMTとLASTorder、cokiyuのコラボレーション。

19歳にしてshing02 などのRemixを手がけるトラックメーカーのLASTorderは、インターネットを中心に名を馳せたアーティスト。現在インターネットの普及により音楽ビジネスのあり方は多様化し、ネットレーベルの台頭により新しい配信文化が築き上げられつつあります。(2013年現在)今回のライブでは、配信では味わえない生演奏ならではの温かみのあるパフォーマンスを披露しました。

VJ YMTは、OpenFrameworksを用いてオーディオリアクティヴな映像表現を主軸に活動している、shouhei hasegwaさん、tetsutaro yanoさん、yasuhiro hoshinoさんの3人によるVJプロジェクトチームです。音楽、映像、メディアアートをクロスオーバーさせたイベントRepublic への出演など、チーム活動だけでなくメンバー個々の活動も、目覚しい活躍を見せています。音の波形がヴィジュアライズされたシャープなパターンは、LASTorderのビートに合わせて描写され、ライブペインティングのような臨場感を与えます。最後の曲では、ボーカルのcokiyuさんが特別ゲストとして登場。透明な歌声で観客を魅了し、より印象深いパフォーマンスとなりました。

#2では、2人のゲストによるプレゼンテーションを行いました。

作曲家の安野太郎さん

1人目は、「音楽映画」「方法マシン」「サーチエンジン」などの作品で知られる作曲家の安野太郎さん。作曲という枠組みを超え、独創的な世界観で時間を軸に展開される作品は、その背景にあるストーリーを知ることで、より深く作品を味わい楽しむことが出来ます。

今回のイベントでは、新作「ゾンビ音楽」を披露。安野さん自らArduinoを用いて制作した「ゾンビリコーダー」が演奏します。8つの穴を塞ぐ256通りの指使いを駆使して、ゾンビリコーダーは「ゾンビ音楽第一番」を演奏してくれました。リコーダーは、決して安野さんの思い通りに演奏してくれることはなく、その旋律は一見、めちゃくちゃに感じられます。「孤立した魂として、自分の手を離れ演奏し続ける様子は、まさに『ゾンビ』そのものである」と、フランケンシュタインを例に安野さんは語ります。人間と機械、いったいどちらがどちらに操作されているのか。安野さんの作品は、発展を遂げるデジタル技術と共存していかなければならない私たちに、多くの問いを投げかける作品でした。

ラストは、比嘉了さん。

ラストは、比嘉了さん。

比嘉さんの創作活動は、舞台演出やライブパフォーマンス、インスタレーションなど、多岐に渡ります。プログラミングを駆使して映像を生成するシステムを開発し、さらにその映像の描画をパフォーマン中リアルタイムに操作できる仕組みをつくる……など、アーティストであり、仕組みを作るプログラマーとしても活躍しています。

今回は3作品のパフォーマンスとその裏側を披露。1作目は、生き物のように浮かんでは消える円運動を描く作品。2作目は、音が可視化し、3D波形となり広がる作品。3作目は、放射状に曲線を描き出す作品。洗練されたヴィジュアルとサウンドは、比嘉さんのプログラミングによって変化し、観客を魅了します。

また、裏側公開として、ライブコーディングも披露。瞬時に表現が移り変わる様が見え、そのスピードに圧倒されます。最小限の要素で、最大限の表現を可能にするシンプルな作品は、プログラミングによる表現を突き詰めた比嘉さんならではの魅力的なパフォーマンスでした。

インタラクティブなパフォーマンス、ネットレーベルで活躍中のアーティスト、自動演奏による音楽表現、プログラミングによる映像表現……デジタル媒体を駆使し多彩な活動を行うアーティストが交差した#2。表現技法を知るだけではなく、その使い方次第で創作の幅が広がっていく面白さを実感することができました。

text by Miki Osawa

比嘉 了

Performance

1983年生れ。多摩美術大学情報デザイン学科卒業後よりフリーランスのプログラマとして活動。2011年より株式会社ライゾマティクスへ。 プログラムによって映像を作り出すシステムや編集するための仕組みからアプローチしたリアルタイムな舞台演出やインスタレーション、ライブパフォーマンスなどを行う。

安野 太郎

Performance

[/vc_column_text][vc_column_text]作曲家 1979年生まれ 東京音楽大学作曲科卒業、情報科学芸術大学院大学(IAMAS)終了。代表作に、音楽映画、「サーチエンジン」など。埼玉、岐阜、横浜を経て、再び埼玉へ。南浦和アートセンターを開設する。たまにアーティストを集めたりして飲み食いして遊んでいるだけの活動をするが、基本は自分の制作と生活の場。最近は”嫁”という名のレジデンスアーティストが滞在しており”娘”という名の共同制作を行なっている。現在、日本大学芸術学部講師。

YMT

VJ

shouheihasegwa、tetsutaroyano、yasuhirohoshinoによるVJプロジェクトチーム。openFrameworksを用いた、オーディオリアクティヴな映像表現を主軸として活動している。

LASTorder

Live

1993年生まれ。17歳からDTMに挑戦。2010年にshing02からのRemixの依頼を受けて以来、トラックメーカーとしてYoutube等ネットを中心に楽曲を投稿し続ける。2011年、バンドiglooanodeを結成しキーボードとしても活動中。

john smith

Performance

前衛芸術、パフォーマー 東京造形大学、多摩美術大学、ベルリン芸術大学でメディアアートを学ぶ。身体からノイズ音を生成したり、交流電流のパルスからノイズ音を生成するパフォーマンス。各種デバイスを使ったプログレバンド「ブスタンク」でも活動中。web漫画サイトの主催もやってます。